怖さを知らない

 弊社グループの毎月の実績表を見ながら、弊社グループの改善の遅さにいつも苛立ちを感じています。

再三記述しているように、二輪業界には久しぶりの追い風が吹いています。

コロナ感染症の影響で公共交通機関からのシフトが鮮明になっているからです。

 それに加え、半導体や部品不足による供給不足も、専門店にはプラスに働いているのです。

どのメーカーも、ここ数年で販売店に大きな投資をさせ、その分供給不足の商品を投資した販売店に集中配送しているからです。

競合店へ商品があまり回らなくなり、専門店にしか欲しい商品がないとなれば、売り上げも上がるし値引きも不要となります。

ホンダのドリーム店、カワサキのプラザ店、そしてヤマハのYSP、そのすべての専門店が、売り上げも利益も伸ばしていると思われます。

 この状態が2年続いています。するとどうなるのか?大抵の店主はそこに慣れと驕りが出てくるのです。

追い風やブームが来た時には思い切って乗ればよい。しかし、工夫して急上昇を目指し、そこで稼いだお金をしっかりと内部留保しなければ、必ず来る反動に耐えられなくなります。

具体的な急上昇の目安は、今までの1.5倍以上の売り上げと利益です。

 最近、九州のYSPの会議が行われました。

久し振りでしたので私も出席。販売店側からは合計11人の参加。

ノートにメモを取っていたのは、私と、息子と我がグループの一人の店長。それに他県の経営者一人の4人。

殆ど居眠りしていた人は、我がグループの店長一人と、他の販売店の経営者一人。

 外部の環境の変化だけで、売り上げも利益も上がっていることを深く考えていません。

CSを含む店舗改善に終わりはないのに。

 会議終了後、グループ全店長を集め、ヤマハの九州の所長と、全国のレンタルの責任者を呼びました。

そこで、先ず我が店長達の不甲斐なさを叱責。今回のメーカーの販路政策で、私は痛みを伴う改革を息子にさせました。

大濠店、福重店、菊陽店の閉鎖です。

その時に、如何にそれらのお客様を、友泉店と熊本店に集約させるかを考えるように指示もしていました。

 それらが上手くいっていないどころか、HPのセッション数、リコールの回収率、レンタルバイクの使用率等、どれも全国平均に及ばないのです。

長男とマネージャーのM君の責任は重いのですが、それと同等の責任は各店長にあります。

1割に満たない売上高と利益の伸長の陰に、退廃の匂いを感じました。

 世の中は、これから確実に不況に突入します。簡単に言えば、物の値段が上がり且つ増税がなされ、消費減退が起こってくるのです。

これらのことが分かっているにも拘らず、何らの対策もしないことは罪です。

 経営者や店長は、先ずは自分の部下たちの生活をいかに守るかを真剣に考えるべきです。

それをないがしろにして、自分の趣味や自分の生活スタイルを優先したい人は、上に立つべきではありません。

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