1億円の攻防

 会社創業時、魔ダムから、家族4人が暮らすためには最低月に20万円(駐車場付き家賃53000円を含む)必要といわれ、自分の貯蓄を取り崩しながらも、何とか手渡していました。

2年目から軌道に乗り、決算書を持ち込んでいた商工会議所から、売上高が大きくなり3年目からは受付できないので税理士を雇うよう言われたのです。

 紹介された税理士が少し変わっていて、代表者の給与所得は毎年どんどん上げるくらいでないと、仕事に熱が入らないとの考え方でした。

そのせいかあっという間に月収100万円を超えましたが、毎日倒産することが頭から離れなくて生活の質は変えずに過ごしたのです。

 当然余剰資金がどんどん生まれます。私はそのお金を貯蓄には一切回さず、株式投資と会社の運転資金につぎ込みました。当時は株式投資もかなりの利益が出て、その分までも在庫の充実と多店舗展開に回したのです。

するといつの間にか、私が会社に貸し付けた金額(代表者貸付)が7000万円を超えたのです。

取引銀行は、決算上あまり宜しくないので、この金額全てを貸し付けるので一旦自分のものとしてくださいと。

 しかし私自身は九州全域に店舗展開するのが先決と、この自分自身のお金を資本金に振り替えることとしたのです。

中小企業の中では、最高の資本金となります。

そして、大した売上高でもないときに資本金を1億円としました。この時点で、私にはこの貸し付けたお金は一銭も入ってこないこととなりました。

 総務省が都道府県が課す外形標準課税の対象会社が、ピーク時から1万社減って2万社になったと最近公表しました。

この税金は、単なる所得だけでなく、会社の規模や従業員数によって課税されます。

それだけ大きな規模の分、公共財を使用しているとの考え方で、赤字でも課税されるのです。

この対象が資本金『1億円超』の会社なのです。

 この記事を見た時に、何と情けない事かと腹が立ってきました。

憧れがあるような大企業が、税逃れのために資本金を減資しているのです。

雇われ社長の限界を感じました。安岡正篤も草葉の陰で憤怒していることでしょう。

 企業経営は、最初は自分のため、次に従業員のため、それから取引先のため、最後は社会のためという公共性は、常に忘れてはいけない気がします。

個人の金融資産も1億円を超えると富裕層に区分されます。会社も個人も「1億円」が日本における一つのラインなのです。

何ともみみっちい感じがするのは、私だけでしょうか!?

 

 

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