歴史的な場面
現在の日本人の大部分が歴史的な場面に立ち会っています。
ロシアが予備役30万人を動員するという事で、ウクライナと本格的な戦争に突入することとなります。
追い詰められたプーチンがどう動くのか、世界が固唾を飲んで見守っているのです。
結末はどうなるのかわかりませんが、私の考えでは、歴史上にはゼレンスキー大統領の勝利とプーチン大統領の敗北と記されることでしょう。
これほど瞬時に情報が伝播する世界では、自分に都合の悪い事だけを隠し通すことは難しい。
平和ボケした日本人は、この戦争を大いに教訓とすることです。
閑話休題。
私の主眼とするところは、この戦争のことではありません。
日銀の黒田総裁の一貫とした姿勢のことです。
端的に言うと、久し振りに日本の武士道を見た感があります。
世界中の中央銀行は、このインフレに対処するために金利を上げ続けています。
ところが黒田総裁は、これから2~3年は上げるつもりはないと。
下げたり据え置いているのは、トルコ、中国、そして日本だけなのです。
先ずトルコは影響力の関係で除外します。
中国は、コロナのロックダウンと不動産バブルの崩壊で急激な経済の悪化で仕方ない。
一方、日本は先進諸国の中で唯一、経済の回復途中で金利を上げることはしないと断言しているのです。
一見日和見主義と思われている日本人ですが、硬骨漢がいたのです。
経済評論家や、大抵の日本人、それに金儲けだけを目指すファンドなど、一斉に日銀の無能さを追求しています。
しかし、シッカリと経済を学んだ人だったら、彼の行動は至極当たり前と理解できます。
日本や中国の高度成長を支えたのは、自国の通貨安そのものだったのです。
どのような政策も負の面は出てきます。それを気にせず、自分の主義を貫き通すことは、こと日本においてはとても難しい事なのです。
1年もしないうちに、黒田総裁の決断が正しかったことが証明されると私は思っています。
彼は、いい意味で歴史に名を残すと思います。