KKD
最近、DX進展に伴い脱KKDが盛んに経営コンサルを中心に喧伝されています。
今まで以上にデータサイエンスが求められることには論を待ちません。
しかし、大手経営コンサルタントのアクセンチュアがいうように、日本の経営はアナログで客観的根拠がなく、今後ますますAIの経営手法が必要になるとの意見には、私は懐疑的です。
このKKDとは、私の好きな「勘・経験・度胸」の略称です。
以前にも記述しましたが、20年くらい前に二輪業界に詳しい経営コンサルタントの船井総研に100万円支払い一度会社を診てもらいました。
2日間ほどの聞き取りと、データ提出でした。
結果は、「情報量は移動距離に比例する」という事を知ったことだけでした。
知人の息子さんが京都大学卒業後アメリカに留学し、大手経営コンサルタント会社に入社しました。
1年もしないうちに年収1000万円を超えたと知人がとても喜んで話をしてくれました。
それほど、経営コンサルタントの重要性はあるのです。
彼はその会社を辞めた後にベンチャーを立ち上げ、一時は未来を担う若手としてNHKにまで登場。
しかし結局その事業はうまくいかずに、大手会社に売却。
彼は現在、アナログではありますが、親の会社の2代目社長として活躍しています。
その彼に、コンサルタントの必要性を聞くと、「大手の雇われ社長の接待費みたいなもの。中小企業には向かない」という意見でした。
つまり、雇われ社長は自分の任期の間だけ、責任を自分一人では取りたくない意識が働くと。
今後は益々データの必要性が増し、AIは確かに活躍の場を広げます。
しかし、いくら学習しようとも過去の蓄積でしかないのです。
経営者に普遍の要素は、毎日のように現場に出て、色んな情報を収集し、とことん自分の頭で考え抜くこと。
そして最後は自分の5感を信じて未来を予想し、「えいやっ」で決断する。
KKDが無ければ、ジョブスもマスクもここまでの会社には出来なかったと思います。