戦略転換
6月末近くになって、大きな含み損を抱える筑邦銀行の配当金が振り込まれていました。
株主優待で、500円のクオカード1枚と、5000円相当の商品も健在でした。
この配当金額が続くと仮定すれば、現在の含み損を解消するには、後8年ほどかかります。
この配当で全ての会社の持ち株の配当金が入ったことになります。
殆どを株式の買い増しで再投資しましたが、これだけでは人生面白くもありません。
魔ダムの誕生日が近かったので何か美味しいものを食べようとなり、そこに奮発することとしました。
彼女が寿司が食べたいというので「副島康広」を予約。
彼は、修行中の「やま中」時代から私が応援している人物です。
独立して4年目の、長男と同じ今年41歳。
独立当初は一人当たりの予算が15000円~20000円でしたが、最近になって30000円~40000万円に倍増。
予約時に魔ダムの誕生日を告げていたら、6席のカウンターのみの店ですが、貸し切りにしてくれました。
何でも美味しいと感じるほどの大した食通でもない私ですが、この店の全ては別格であると思えます。
どちらかというと寿司懐石といった方が良いと思います。
10数品の品々それぞれを、全て目をつぶりながら食するのはこの店だけです。
言葉で言い表せない味の深みと余韻。
器も、柿右衛門、源右衛門、唐津焼等私の好みなのです。
十二分に満足して、魔ダムに感想を聞くと信じられないくらい美味しかったが、最後に果物か何か欲しかったと。
彼女が小瓶のビール1本、私がノンアルコールの小瓶のビール1本。
会計の合計が二人で69.800円也でした。
とてもじゃないけれどいくら美味しいといっても頻繁には来れない金額です。
私は、この金額で続けていけるのか彼に問いました。
彼はもともと腕には自信があったそうで、良い材料を各地から仕入れて、料理も工夫していました。
オープン当初の15000円~20000円時代は、あまりの人気でかなり忙しく、仕入れ原価を考えると利益があまりでなくなったとのこと。
コロナで暇になった時に今後を考えたそうです。
福岡の寿司店で一番競争が激しいのが15000円~20000円の価格帯。40000万円以上の店が数店。その時に福岡の寿司店で最も高いと言われる店へ行き自腹で食べたとのこと。お酒も飲んで一人60000円支払ったと。
そこで、自分の味に自信を持ち、空白地帯の30000円~40000円に設定。
カウンターのみの店ですが、7席を6席に減らし、地道に常連を増やす方向へと舵を切ったとの返答でした。
大きな戦略転換です。
体調が味にも微妙に影響を与えると、休日はしっかりと休み万全な状態つくりを心掛けているそうです。
コロナ禍での腐心の跡が垣間見えた気がしました。
カンブリア宮殿、ガイアの夜明け、プロフェッショナルの流儀、情熱大陸を全て録画して、休日に早送りでそれを見ることを自分に課していると。
ミシュランの星を得るためには、店の作りにもっと高級感は欲しいものだと感じはしますが、彼の戦略転換を見守り続けたいと思いました。