秘密が似合わない漢

弊社は同族企業で、役員は家族が務めています。

その結果、賞与はないし、実績が悪ければいの一番に大幅に給与を下げます。

 

このような苦労を強いて、魔ダムには頭が上がりません。

年に一度か二度、美味しいものを食べさせてお茶を濁しています。

 

昨晩はその日で、「寿司 やま中」に連れて行き、お任せコースで、本人曰く「もう食べられない」というくらい美味しさを堪能させました。

それだけでは終わらない計画を実行。

私の秘密基地の「バー 海堀」にカクテルを飲みに行きました。

 

ここは、女性を口説くために秘密にしておきたかったのですが、如何せん相手がなかなか現れません。

お酒の飲めない私が行くバーです。

隠れ家的で雰囲気が最高なのです。

 

今までで知り合いも一人しか連れて行っていません。

そこには、アルコール分が少々入った私専用のスペシャルカクテルがあります。

クラッシックを聞きながら、カウンターで語らう一時は、何の柵も感じない『男』に戻れる時間なのです。

 

魔ダム曰く、「こんなお洒落な店、友達にも紹介しようっと」。

これでまた、私の不良っぽさが無くなるのです。

私は良き父親と、良き夫に逆戻りするのです。

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