偲ぶ
1月5日の日経新聞夕刊を見ていたら
追想録の欄に「横瀬恭平さん」と掲載されていました。
あれっと思い記事を読みますと
そう、あの横瀬さんだったのです。
当時は第二次オイルショックでかなりの就職難でした。
私が最終面接を受けた時の担当副社長が「横瀬さん」だったのです。
3人横並びで面接を受け、穏やかな顔の「横瀬さん」が
『何か質問ありますか?』と聞かれ
真っ先に私が質問した覚えがあります。
結局私だけが合格し、その年の新入社員数は前年の半分
その上同期の女性社員採用ゼロとなっていました。
その時の同期会を「野郎会」と名付けた所以です。
私は社長になるつもりで、猛烈に仕事をしていました。
毎晩夜中の12時頃までです。
独身寮まで帰れる終電まで粘っていたものです。
ある晩、帰寮する前にトイレで用を済ませていますと
隣に「横瀬さん」が来られて一緒に連れション。
立ち話になり、独身寮だったら送っていくということになりました。
新入社員が副社長に送ってもらうのです。
エレベータに乗り階下に着くと
確か日産のプレジデントが待っていて
恭しく運転手の方が私のためにドアを開けて下さいました。
二人で後部座席に座り、帰寮までのおよそ40分くらい
お話をさせてもらいました。
寮の前で降ろしてもらい、テールランプが見えなくなるまで
感謝のお辞儀をしていたことまで鮮明に覚えています。
この時に感じたことが、上に立つものほど
仕事をしているということと、天は見ているということです。
丁度40年ぶりでした。
合掌