小さな積み重ね

先日、行きつけの床屋さんに行きました。

通い始めて早、30年近くになります。

途中、バイク情報センターリストという買取の店を開いていた時に

隣が床屋さんだったのでその店に1年ほど浮気しましたが・・・

 

以前はスタッフを一人雇われていて、奥様を含め3人で

3脚の椅子を回しておられました。

 

御多分に漏れず、人使いの難しさを身に染みてからは

ご夫婦二人でやりくりされています。

 

私が行った時には、大雨で朝も早かったので

他の客はいなくて私一人で

たいそう喜ばれました。

 

「このような暴風雨の時には、誰も来ないでしょう?」と

投げかけますと、「いいえ、今まで40年近く1日に10人を下回ることはほとんどない。」

「土、日は20人くらい来られます」との返事でした。

 

私の散髪代金は、この30年間変わらず3500円です。

客単価もおそらく、そのあたりだと思います。

一日当たりの来店客を15人と推察して

3500円×15人×25日×12ヶ月=15.750.000円となります。

 

粗利率が90%と仮定して

15.750.000円×90%=14.175.000円

家賃を含む経費を年間217.5万円としても

夫婦二人で所得1200万円也です。

 

既存客だけでは衰退するので新規が重要と力説されていました。

どのような広告を打つのか聞きますと、「何もしない」とのこと。

いつの間にかお客様が来るそうです。

 

羨ましいと言いましたら、そのようなお客は他店で不満を持ってこちらに来たのだから

最初に注意深く、髪の質、頭の形、本人の希望を徹底して聞くそうです。

 

65歳を超えても元気に仕事ができて幸せだそうです。

大手大企業に熾烈な争いで入社した人のどれほどが、

65歳でこの年収とこの幸せを感じることができるでしょうか?

 

地味で小さなことの積み重ねが

意外にも大きな力となる見本を見た気がします。

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