いるもんだなあ!?
とある夜に、九州の二輪のホンダ販売店の社長と
会食をしました。
私の知人の業界の人を通じて、先方からのお誘いでした。
メーカー直営の九州ではダントツの実績を誇るその会社へ
昨年春から出向で来られています。
先ず、競合相手のそれもダントツシェアのホンダの
トップなど、今までは私は、顔はおろか名前さえ知りませんでした。
その様な人が、私のような一介の販売店の店主と
話をしたいなどということに、驚くと共に興味もわきました。
52歳のやる気満々の顔をしたその彼に、その理由を尋ねますと
「新商品も出ない、利益率も良くないヤマハの専門店を
何故出し続けたのか知りたかった」との回答。
私は、即座に「社員の為」と答えました。
「夢を持って弊社に入社した社員が1店舗しかなかったら
いつまでも仕事の中身も給料も変わらない。
給料も夢もかなえられて、自分の子供達に自分の会社を
自慢できるようにするには、最低でも20店舗、
出来れば30店舗は必要だから。」と答えました。
「ただ最近は、社員に私の思いだけの
強い意志ややる気が感じられないので
二輪業界にはあまり投資しようとは思わなくなった」
とも付け加えました。
すると彼は、私と同じ思いだと言ってました。
各店舗を自立させて、平均年収を500万円に設定し、
全従業員が入社して良かったと思える会社にするつもりとのこと。
すぐに実行することが彼の信条らしく、出向と同時に
他の出向者7人は全てメーカに戻し、出向者は自分一人とし
退路を断ったそうです。
他にも、配送業者に上から目線の対応をしていた男性幹部社員を
その本人が涙ぐむほど叱った逸話も印象に残りました。
「出入りの業者が、この店に来て気持ちいいと思うほどでなければ
他のお客様が思うはずもない。」
普通であれば、数年したら元のメーカーに戻る
サラリーマン社長です。
流石にホンダだと思いました。人材の層が厚い。
最後に彼が「私と二人で二輪業界で理想となるディーラー
になりましょう」と言われた時に、
私も今一度、二輪業界に再投資をしようと気持ちを新たにしました。