上手く行ってほしい
昨日の午後1時過ぎに、我が大学硬式庭球部の
1年後輩が訪ねてきました。
彼は、実直を絵に描いたような人物で、
テニスの実力だけでなく人望もあり、キャプテンを務めました。
卒業後、農業関係の名門商社に就職後、九州に戻り
家業の3代目を継いで現在に至っています。
会うたびに元気なく見えて、髪は真っ白になって
苦労していることがひしひし伝わってきます。
昨年私が彼にアドバイスをしたことへの
途中経過報告にきたのでした。
社内で自分より社歴も経験も長い幹部数人に
聾桟敷に置かれ、危うく会社を乗っ取られる
寸前だったようです。他にも不正があったとのこと。
結果としては、自主退職してもらって一息ついたと
彼は話していました。
ただ、どうもこれだけでは済みそうもない気がすると
悩みは尽きないようです。
私は彼にその首謀者たちを、何故、刑事告発と同時に
民事で損害賠償請求をしなかったか尋ねました。
そこそこの年齢だったし、長い間務めてくれたので
情が湧いたとの返事。
以前数冊読んだ倒産に関する本の中で
倒産する社長の共通の性格は、「お人よし」だと
彼に言いました。
悪いことに対しては、厳格なルールを社内で
徹底しない限り、似たような事件が
今後もなくならない、君は性格が良すぎて
社長に向かないとまで失礼な言葉を発しました。
長男で3代目である以上、社長職を逃れるわけにはいきません。
それをわかったうえで、敢えて彼にはそう言いました。
ただ、そのまま別れると、彼が一層意気消沈したままに終わるので
少しのアドバイスをしました。
1.猛烈に財務と法律を勉強せよ
2.弁護士、税理士もピンキリと心得よ
3.客観的に自分に辛口をぶつけてくれる人物を探せ
4.今度の件を機会に社内改革を断行せよ
5.改革のポイントは「率先垂範・見える化・挨拶」
彼の会社の規模は、弊社の何倍も大きく従業員数も
数百人規模です。
その先には家族もいます。
会社に携わるすべての人を守るために
中小企業経営者は、時には鬼にでもなれる
人物でないと、いけないと思っています。