ROE
最近、新聞紙や経済紙の紙面を賑わせています
ROEなる文字。
大半の人は意味も分からないし、生活に何ら関係ないと
無関心でしょう。
ところが上場企業の経営者にとりましては
喫緊の要事なのです。数値が低いと
経営者が更迭させられる可能性までもあります。
ROE(Return On Equity)の略です。
自己資本利益率と訳されます。
計算式は、『純利益÷自己資本』。
アベノミクスの第三の矢である成長戦略の一環として
伊藤邦雄一橋大学教授を座長とするグループのレポートに
「8%」を目標にすることが明記されました。
簡単に言うと、同じ自己資本でどんどん利益を上げて、
儲かったお金は溜め込まずに、
自社株買いや配当に回しなさいということです。
私のように長年株式投資を実践している者には
理解もできるし、当たり前の事で、称賛に値します。
ところが、中小企業の経営者の観点から見ますと
別の事が見えてきます。
例えば、弊社の1~5月累計での財務諸表を見ますと
ラフに 「経常利益×0.6=純利益」と仮定しますと
ROEの数値は『1.78』。上場企業であれば私は首です。
この数値を仮に『8』にした場合。純利益は現在のおよそ
4.5倍になります。大変な数字ですが、それ以上に
支払う税金から見ますと、何と11.2倍になります。
つまり、11.2倍のお金が社外に流出することになるのです。
中小企業の経営者は、配当や自社株買いなどせずに
ROEの数字も気にせず、利益をガンガン上げながらも、
少しでも支払う税金を少なくすること。
そのことにより、社外流出のお金を減らし
内部留保を厚くして、いつ起こるかわからない
「非常事態に備えるべき」だと思います。